プロフィール
和知麻子さん(45歳、レズビアン、飲食業経営、北海道出身)
パートナー/和田恵実さん(49歳、レズビアン、医療従事者、北海道出身)
パートナーシップ 2019年~(2024年現在、5年目)
住まい 北海道札幌市
利用制度 パートナーシップ制度 あり(2019年、札幌市) 公正証書:なし 緊急連絡先カード:あり
アイデンティティ確立の第一歩となる、札幌ミーティングとの出会い
和知:女の子が好きだという感情はありましたが、言葉がわからないまま過ごしていたので、もともとレズビアンであることは自認していませんでした。元「東京少年」の笹野みちるさんがカミングアウトしてから、「私もそうかもしれない」と思い始めたんです。
ですが、レズビアンというアイデンティティを獲得する力はまだ十分にはなく、女性が好きだという気持ちを抱えているだけの状態でした。その経験の一歩先を歩み、レズビアンであることを可視化してくれたのが、LGBTQ+支援団体の「札幌ミーティング(1989年~2000年頃、LGBT支援の活動をしていた市民グループ)」です。
先輩たちの姿を見て、レズビアンとして生きていくことを決意
和知:16歳の時、札幌ミーティングに電話をかけ、初めて自身のセクシュアリティについて相談しました。そしたら「遊びにおいで」と誘ってくれて、その事務所を探してみると、私が通っていた中学校のすぐ向かいにあったのです。学生時代は「ここは宗教団体の集まりだから行かない方がいい」と言われていて、まさか同じ場所だとは思っていなかったので30分ほどウロウロしていました。
そして、ようやく扉を開けて、LGBTQ+の活動をしている先輩方たちを目の当たりにしました。「差別だらけの中で、こんなに頑張っている人たちがいるんだ」と感銘を受けたのを覚えています。そういった人たちの存在が、私のアイデンティティをしっかりと掴ませてくれて、「こういう人になりたい」という思いがより強くなりました。
20歳の時、これまで活動を続けてきたけれど、「私はこのまま活動をしているだけでは生きていけない」と感じて、思い切って活動を辞めることにしました。自分がレズビアンとしてしっかりと生きていくために何かをしなければならないと思ったんです。そこで、当時興味を持っていた韓国に移住しようと考えました。
移住の準備が整った時、資金が足りないことに気づき、深夜のバイトを始めました。そのバイト先が焼き鳥屋だったのですが、女性の焼き手が珍しかったこともあり、先輩から「お前は女だけど、焼き場うまいから入りなよ」と言われました。この経験が人生を大きく変えたのです。
どこにいてもレズビアンであることに変わりはない
和知:焼き鳥屋で働く中で、一度レズビアンというマイノリティの側面を脇に置いて社会人として頑張ろうと思いました。ですが、結局どこにいても「私はレズビアン」というアイデンティティは変わらなかったのです。自分の名前の後には、必ずセクシュアリティの話をする。それほど自分にとって大事なアイデンティティなのです。
現在の店を開店する時も、周囲には「私はレズビアンです」と伝えましたし、近所の人たちにもそう話しています。やはり、16歳の時に見た先輩たちの姿を思い出し、自分もしっかりと生きていかなければと思っています。


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