2026-03-21

【カミングアウト】セクシュアルマイノリティとしての学生生活

プロフィール

左/TSUJさん(31歳、レズビアン、大学院学生、中国江蘇省出身)

右/SEKIさん(28歳、バイセクシュアル、大学院学生、中国湖北省出身)

パートナーシップ 2020年~(2025年現在、5年目)

住まい 茨城県

利用制度 パートナーシップ制度 なし 公正証書:なし 緊急連絡先カード:あり(学校の緊急連絡先をお互いにしている、手作りのカードを持っている)

目次

セクシュアルマイノリティとしての学生時代

SEKI:高校時代を振り返ると、周りの同級生たちは特に大きな変化があるわけでもなく、普通の学生生活を送っていたように思います。おそらく、都会の学校だったからかもしれません。私の高校は、親世代には偏見があるかもしれませんが、周りの学生は割と寛容で、とても開かれた環境だったと感じています。周りでセクシュアルマイノリティに対して驚いたり、偏見を持ったりするような人は少なかったと思います。

面白いことに、高校に入学した時、私を含む4人の友達全員がセクシュアルマイノリティでした。その学校では、レズビアンが多いという噂もありました。

最初に住んでいた寮では、同級生ではなく先輩と一緒に住んでいたんですが、その先輩にはカミングアウトしませんでした。ですが、2年生になって同級生と一緒に住むようになり、カミングアウトすることを決意したんです。もともとルームメイトは農村出身で、最初はちょっと保守的なところも感じましたが、カミングアウトしても特別な反応を示すことはなく、とても優しく接してくれました。

台湾の友人との再会、カミングアウトの実践

TSUJI:私は逆の経験をしました。実は、大学時代は最初の頃、周囲の友達にカミングアウトを積極的にしていたのですが、その時期はホモフォビア的な反応を受け、嫌な記憶が残っています。それ以降、どうカミングアウトすべきか考えるようになってしまって。

以前、台湾でできた友人に対して、カミングアウトをするべきかどうか迷った時期がありましたが、結局できませんでした。ちょうどその時期は自己肯定感が低く、無意識に「この人はあまりフレンドリーではないかもしれない」と感じたのかもしれません。

ですが、最近はカミングアウトのタイミングを少しずつ掴んできたように感じています。例えば、年末に台湾の友人が挨拶に来た際、7年ぶりに再会したことをきっかけに、ようやく自分の関係性をカミングアウトすることができました。相手が恋愛に関する話を自然にしてくるのを見て、「自分から言わない方が逆に変だな」と感じるようになりました。自己肯定感が高まったこともあり、恋愛の話が出た時には、自分の意思でしっかりと伝えることにしています。

研究そのものがカミングアウトを意味する

TSUJI:私の研究テーマはセクシュアルマイノリティに関係する内容でもあるので、研究をしていること自体が、すでに日本社会の中でカミングアウト的な意味を持つと感じています。ですが、同時に異性愛中心的な社会に対してクレームを言っているような気持ちもあり、直接的なカミングアウトは避けていました。なので、代わりに見た目や研究テーマを通じて、自分を表現しようと考えたんです。

職場でも同様です。私は自分の狭い研究領域についてみんなに話すことはありませんでした。職場内では異性愛中心的な考えが強く、私が言わない限り、周りの人たちは勝手にそういう前提で話を進めてしまいます。加えて、女性差別も当然存在しているので、そういった状況の中で、直接カミングアウトすることは避けつつ、行動を通じて「私はあなたたちとは違う」と伝えるようにしています。

家族へのカミングアウトの難しさ

SEKI:一番心配だったのは家族へのカミングアウトです。中国の親戚関係は密接で、父方の家系には父を含めて6人の兄弟姉妹がいて、時々お互いの家を行き来しています。親や親戚との人間関係を考えると、カミングアウトは少し難しいなと感じます。私の両親はそんなに保守的な人たちではないと思いますが、周りの人から何か言われることを考えると、どうしようか迷ってしまうんですよね。やっぱり、親や親戚との関係が一番気になります。

TSUJI:私は親にはカミングアウトしましたが、親戚の前ではある意味、キャラを作って振る舞っています。例えば、「日本で勉強と仕事を頑張っている人」みたいな感じで。もしバレたら、親が親戚からいろいろ言われるのがすごく大変だと思うので、親戚内でカミングアウトすることは考えていません。とりあえず、頑張っている学生としてのキャラ作りをしています。

SEKI:今は時間がないとか、恋人を作ったり結婚したりすることとは無縁なキャラクターを作り上げているというか。

パートナーシップ制度利用のために必要なカミングアウト

TSUJI:パートナーシップ制度は利用したいと考えています。最近、SEKIさんが救急搬送されたことがあり、その際に病院で「友人か家族か」と聞かれたのですが、証明書がなかったため「友人」と答えるしかありませんでした。

そういったこともあり、私は制度を使いたい気持ちはありますが、SEKIさんはパートナーシップ制度を利用するなら、カミングアウトをする必要があると考えています。なぜならば、パートナーシップ制度を利用することは、結婚と同じだからと考えているからです。

なので、まず親にカミングアウトしてから、関係性や金銭面を整理したうえで進めるべきだと感じています。私はSEKIさんの家族との関係性を考慮し、彼女の考えを尊重したいです。

text by Honoka Yamasaki / photo by Emi Yasuda / interviewed by Emi Yasuda&みらいふ編集部
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