2025-07-16

【住まい購入】「前例がないならつくるしかない」同性カップルの賃貸契約と家の購入

プロフィール

左/みえ(40歳、レズビアン、建築CADオペレーター、福岡県出身)
右/かよ(40歳、レズビアン、歯科衛生士、福岡県出身)

パートナーシップ 2018年~(2024年現在、6年目)

住まい 福岡県福岡市中央区

利用制度 パートナーシップ制度:あり(2018年 福岡市、2022年 福岡県) 公正証書:あり(同性パートナーシップ契約、任意後見契約)

目次

賃貸ではなく購入に至った経緯

みえ:今年の4月から(足元にいる子猫を指して)この子を保護したんです。正直、私たちは子どもがほしいという願望がもともとなくて、将来的には犬や猫を飼って、その子たちを自分たちの子どもとして育てていこうと、事前に話していました。

賃貸だとペット可の物件が少ないというのもありましたし、さらにペット可の物件は家賃が高くなることが多いので。それに比べると、家を買った方が自由にできるし、長期的にはお得だと思ったんです。

また、私たちは現状、法的に結婚ができない状態なので、将来ずっと賃貸に住み続けることに対しての不安を感じていました。公正証書も作成しましたが、万が一私が亡くなったときに何か形として確実に残せるものは必要です。なので、財産の一部として家を残すことを決め、家の購入に至りました。

同性カップルの賃貸契約のリアル

みえ:これまでに3回引越しを経験し、一度賃貸で断られそうになったことがあります。一番初めに住んでいた賃貸の契約時は、かよとの関係性を隠していたのですが、不動産会社から「もし家で何か問題があった場合、契約者本人しか保証を受けられない」と言われたんです。そのときに「これじゃいけないな」と思って、次回からはちゃんと伝えることに決めました。

そして2回目の引っ越し。私たちはカミングアウトしてから賃貸を申し込みました。ですが、実は過去にゲイのカップルが同じ物件を申し込んで断られたことがあったらしく、その理由でまた断られそうになったんです。でも、そのときに私たちは引き下がらず、「これは人権の問題ですよ」と強く言いました。

不動産会社からは「パートナーシップ証明書を提出してみますが、50%の確率で断られる可能性があります。それでもよろしいですか?」と言われました。私たちは「それでも構いません」と返事をして、その結果、無事に契約が成立しました。

当時はまだ、パートナーシップ証明書があっても同性カップルへの理解が少なかった時代。ですが、前例がないのなら前例をつくるしかありません。そうすることで、次の人たちが住めるようになるのです。

家を購入する際の公正証書の作成

みえ:家の購入でいうといろいろな大変なことがありましたが、特にペアローンを組む際に多くの課題がありました。たとえば、もし私がローンを組んだ場合、私が亡くなったときにはローンがチャラになりますが、かよが亡くなった場合は、私が全額背負うことになってしまいます。

一方でペアローンは、ローンを2人で分けて払うことができ、万が一の時にも負担が軽減されるという利点があります。なので、私たちが家を購入するときは必ずペアローンを組みたいと考えていました。ですが、当時はペアローンを組める銀行はまだ少なく、公正証書を作る必要があったため、かなり時間とお金がかかりました。

公正証書を作成するには、まず公証役場に行って私たちの事情を説明しなければなりません。そして、公証人とのやり取りも必要となります。そのときはちょうどコロナ禍で手続きが遅れる可能性があったのと、単なる一枚の書類ではなく、パートナーシップ契約や任意後見人の指定、住宅関連の内容など、いくつかの要素が含まれる書類だったので完了までに4ヶ月ほどかかりました。さらに、かかった費用は約10万円と、思っていた以上に高額でした。

その間、不動産会社に事情を説明して、私たちは本当にこの家を購入するつもりであること、頭金もきちんと支払うことを伝えました。不動産側としても売りたい気持ちはあるものの、事情を理解してもらい待ってもらうことになったのです。正直、男女のカップルであればこんなに時間もお金もかけずに契約が進んでいたと思うと、少し悔しい気持ちはあります。

interview&text by Honoka Yamasaki / photo by Rina Amagaya / Retouching by Emi Yasuda / みらいふ編集部
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