どのようにセクシュアリティを探したのか、探索のプロセスを紹介する「せくたんストーリー」。石橋さんのお話を伺いました。
友人からカミングアウトを受ける
ノンバイナリーでパンセクシュアルの石橋さん。自身の視点から「社会構造から性別をなくす」というテーマを掲げて活動しています。「性別という概念があまりない」という石橋さんが自身のセクシュアリティについて考えるきっかけとなったのは、大学の友人がバイセクシュアルであることをカミングアウトしてくれたことでした。
「それまでは異性を好きになることもあったので、自分が女性に惹かれることに気づいていませんでした。ですが、思い返してみたら、憧れの女性の人などはいたので、カミングアウトを受けて、自分にもその可能性があると感じました」と石橋さん。
言葉がなかった時代、自身を「中性」と位置づける
とはいえ、LGBTQ+という言葉すら十分に浸透していなかった時代。石橋さんは「ネット上で検索しても言葉が出てこなかった」と話します。当時、東京に在住していた石橋さんは、自らLGBTQ+タウンである新宿二丁目に足を運び、セクマイ女性コミュニティに関わる中で、バイセクシュアルが一番近いと感じたそうです。それからさまざまなセクシュアリティを知る中で、現在はパンセクシュアルが一番しっくりくると話しました。
かつてはコミュニティ内で、自身を「中性」と位置付けていたと言います。自身が望む、女性でもないし男性でもない状態は、幼少期の経験にもつながっているとか。「女性としてみられないと自分に価値がないと思ってしまっていて。なので女性らしくない自分を認められていなかったと思います」と、当時を振り返ります。
性別二元論による生きづらさ
さらに、「修学旅行で大浴場に入るときは心地悪かった。恋愛の時に身体的にも精神的にも“女性”であることを求められると自分じゃない感じがした。男性になりたいわけではないし、トランスをしたいわけでもなかったので、逆説的に自分は女性だと思っていました。ただ、今もナベシャツを着ているように、女性らしい特徴がない状態でいるときの方が息がしやすい。だから、常に居場所がない感覚がありました」と、心の内を話しました。
そして2021年、歌手の宇多田ヒカルがノンバイナリーであることを公表したニュースを目にしたことで、「ノンバイナリー」という言葉に出会うことに。これまで抱えていた違和感が、「ノンバイナリー」という言葉によって解消されたと言います。




