<記事の要約>
同性カップルが一緒に生活する際、賃貸か持ち家かに分けて、直面する問題と対策が分かります。賃貸の場合、パートナーシップをどう伝えるかが課題ですが、安心して利用できる不動産会社を利用することが対策として考えられます。持ち家では、ペアローンや単独名義の選択が課題にあがります。法的保障のない同性カップルは契約書や公正証書で合意を記録し、金銭面や権利を明確にすることが推奨されます。
同性カップルが同居を始める際に以下の点を踏まえて生活を始めると良いと思います。
1.賃貸か持ち家か
いざ、2人で生活を始めようと考えた際、同居する物件は賃貸とするのか、購入するのかという問題が生じます。
(1)賃貸の場合は?
賃貸を選んだ場合、よく聞くお悩みは、貸し主や管理会社に同性パートナーの関係をどのように伝えるのかという点です。セクシュアルマイノリティへの理解は広がりつつありますが、まだまだ偏見の目が貸し主らにないとは言いきれません。
どの範囲に2人の関係性を開示するのかについて、パートナーと話合って決めるべきですが、最近では、同性カップルでも安心して利用できる不動産会社も増えてきていますので、そのような会社を利用して同居物件を探すと良いかもしれません。
(2)持ち家の場合は?
持ち家を選んだ場合、2人の共有名義1として購入しペアローンを組むのか、1名の単独名義として購入をするのかという点で悩む方が多い印象です。同性カップルにもペアローンを提供している金融機関は増えており、ペアローンの場合は、2人の収入を合算した上で、ローン金額を決めることができますので、物件の場所や広さ等は幅広く選択できるでしょう。
もっとも、同性カップルは、法律婚が認められていませんので、2人の関係を示す資料を金融機関に提出する必要があります。例えば、パートナーシップ宣誓書や住民票等です(金融機関によって求める書類が異なります)。
単独名義とする場合は、2人の関係を示す資料は不要となる一方、1人の収入でローン額を決めますので、物件の場所や広さ等は、ペアローンを組むよりも限定的になってしまうでしょう。また、仮に交際が解消となった場合には、同物件をどのように分配するのかという点で(法律上の夫婦であれば財産分与請求2の行使の問題)、問題となることが多いです。
2.契約書(私人間)や公正証書の作成
(1)話し合うべき事項
このように物件探しに一つとっても、同性カップルは様々な悩みを抱えてしまうことが多いです。それ以外にも、例えば、家財を購入する時の費用分担、どのように生活費を支出していくのか、家賃や住宅ローンをどのような割合で分担するのか等、特に金銭面については、事前に話合っておくべき事項でしょう。また、法律婚が認められていないため、もし交際が解消となった場合の不安もあるかと思います。
(2)法律上の夫婦であれば認められること
法律上の夫婦であれば、民法上、相互扶助義務が双方にかせられたり、離婚する際には財産分与請求や慰謝料が認められたりと、法律が一定のフォローを行ってくれます。しかし、同性カップルに法律婚が認められていない日本においては、そのような法律上の権利が同性カップルにも認められるか否か(裁判で認められた事例はあります)は、確定的ではありません。
(3)契約書の作成
そこで、2人の決めごとを何かの形で残しておく方法をオススメします。例えば、2人で話合った決めごとをメモ帳に書き出す、2人の間で決定した事項を契約書にしてみるということも考えてみてください。最終的には「公正証書」という公証役場で契約書を作成するカップルも存在します。このように契約書や公正証書を作成しておけば、2人の決めごとが明確になり、不安が少しでも解消されるでしょう。
特に公正証書は、2人の関係を公にしていない場合(クローゼットの方)は、作成をしておくと安心です。
ワンポイント解説
- 共有名義とは、ひとつの不動産を複数の人で所有する状態のことです。他方、単独名義とは、ひとつの不動産を単独で所有する状態のことを指します。 ↩︎
- 財産分与請求権とは,,,夫婦が離婚した際に、婚姻期間中に形成したお互いの財産を分ける手続きです。 ↩︎

