プロフィール
左/藤井美由紀さん(49歳、レズビアン、会社員(通信業)、福岡県出身)
右/福田理恵さん(50歳、レズビアン、会社員(金融業)、兵庫県出身)
パートナーシップ 2014年~(2024年現在、11年目)
住まい 東京都
利用制度 パートナーシップ制度 なし(陳情中) 公正証書:あり(遺言・任意後見・パートナーシップ契約) 緊急連絡先カード:あり(NPO法人パープルハンズ)
【出会い】39歳のうちに出会いたい!?

みゆき 39歳の頃、40代になったら相手ができないかもと思って。39歳って若いじゃん。だから39歳のうちに出会いを求めてmixiに登録し、その中にレズビアンしか登録できないコミュニティがあって、そこですごく素敵な自己紹介文をみつけたんです。2,3行の紹介文が多い中、きれいな日本語の長文で「わぁ、なんか知的な感じが滲み出ていていいなぁ、ぜひ会いたい」とアプローチして、メールのやりとりが始まりました。2人とも慎重で、会うまでに700通メールのやりとりをして、だいたい2ヶ月、ようやく会うことになって、会ったのは表参道のカフェgossip(当時あったLGBTフレンドリーなカフェ)だったかな。初対面の印象はまじめそうな人、あまり会話もはずまなくて、2軒目に行きましょうかとお店を探したけど、時間的に閉まってて、振られたな、もう会う機会はないと思ってましたね。
りえ でも、その後もメールのやりとりは続いていて、わたしも惹かれてた。お互いに惹かれてはいたよね。うん、しっかりしている人だなと、気が合うなと感じてて。ただ実際に会ってみたら、フェミニンな人がわたしは好きだけど、みゆきはボーイッシュな人だから、そこで気持ちがシュンとしてしまったのはあったかな。会話がはずまなかった。その後は、2,3週間連絡を取らなかった。その間、お互いに他の人ともやりとりしてはいたけれど、外見は別として、みゆきとはやっぱり気が合うなと思って1ヶ月後にわたしから連絡を取って、そこからは急速に接近し、よく会っていたよね。週末はもちろん、たまたま職場がみゆきの住まいに近くて、平日もお弁当を買って車の中で15分ランチとか。みゆきは夜勤、わたしは日勤だったので待ち合わせして、ちょこちょこ会っていたかな。
photo ご本人提供 / collaged by Emi Yasuda
【病気のこと】結びつきを深めたできごと
りえ つきあって1ヶ月ちょっとした頃わたしに乳がんがみつかって、こういうのは面倒くさいから別れようと言われるかと思ったら、「ちゃんと病院に行って再検査しようね」と言っていくれて、みゆきは、これまでと同じように朗らかで、全然変わらなかった。わたしが不安な時も「大丈夫、大丈夫。母親も乳がんを経験してるけど、元気だし平気だよ」と言ってくれて、逆にびっくりしたくらい。1人だったらそのままにしてしまったかもしれないと思いました。
みゆき 病気を知ってりえ自身、ぼう然としていて。わたしが病院を選んで、そこの先生がいいとか、おすすめの病院を伝えて無理やり再検査に行ってもらいました。りえは再検査も行くつもりもなかったみたいで。わたしは絶対助けなきゃ、安心させなきゃとか、絶対大丈夫と思ってて、補助的なことは全部しようと思ってた。
りえ そうだったんだぁ。知らなかったかも。ありがとう。

【同居】きっかけは賃貸の更新

りえ つきあい始めて半年くらいで、わたしは一緒に住みたいと思っていて。でもみゆきはものすごく慎重で、石橋をたたいても渡らないみたいな、ずっと同居は断り続けられていた。お互いのことをまだ知らないのに、そんなに焦って同居をしたくないとか、でも逆にそういう慎重さが新鮮で、すごく素敵な人かもって思ってた。
みゆき つきあってるだけだから、別れた後が大変かなとか。ずうっとひとり暮らしをしてきて、住む場所も決めて自由にやってきた。もし別れても、住む場所があれば生活の基盤はなくならない。でもりえの所に引っ越して別れたら、わたしの生活の基盤は、1からやり直しになるから、それは大変かなと思って。20年間ひとり暮らしがきちんとできていたから。今までは、相手が自分の家に来ていたことはあったけれど。別れた時、なんの保証もなく帰るところがないのは恐い。自分の城を手放すのではなく、こっちで一緒に住むならよかったのかも。でも、りえは持ち家で、わたしは賃貸だからそれはできなかった。それから2年後、きっかけは賃貸の更新の時でしたね。
りえ わたしはずうっと同居したいと言ってたけれど。ある日突然、「わたし、更新間近なんだよね。2ヶ月後だから早くしてほしい」と言われたんですよ。一緒に住むならもう早くしないとって、急に急ぎだして(笑)
みゆき そういう契機がないと踏ん切りがつかなくなってしまう、わたしもまた2年後の更新まで動けなくなってしまうから。急いだ気がする。毎週末ここに来て過ごしたり、毎日連絡を取り合ったりしてたから、そこで信頼や愛情は生まれていた。りえの家は安心な場所となっていったから、更新はよいきっかけとなったのかな。
【暮らし】愛猫に向けるお互いの優しさが好き
りえ わたしが2010年に購入した家に住んでいるけれど、近所付き合いは全くない、同じ階の人と挨拶するくらい。みゆきが引っ越してくる時に、同居することをマンションの理事会に申請しただけ。関係性も記入しなかったですね。
みゆき ここはもうわたしの家になりました(爆笑)。ここにある観葉植物はわたしが水をあげて育ててます。猫たちが6歳の時にわたしもお母さんになり、猫が亡くなったのは2020と2022年、裁判が始まった頃でした。次の子は迎えられないと思ってたけど、会話がなくなってつまらない。共通の話題がない、家がしぃーんとしていて…。猫と接している時のわたしの優しさをりえが好きだったとか、りえが猫に接するときの視線、愛情とかそういうのを見てて、すごくいいと思ってたから、猫がいなくなり、すごく寂しくて。また新しい子を迎えたのが去年です。
りえ そう、でも飼えないと言ってたんですけれどね。
みゆき でも「ほしい、ほしい」と伝えて。かわいい子猫ちゃんの写真を見せて。
りえ 最後に折れて、見に行ってもいいよと言って。それで迎え入れて。今3匹の愛猫と暮らしてます。

【家事】生活リズムの違い

みゆき 食事、掃除はわたしがして、りえがやってくれるのは洗濯と猫と遊ぶこと。
りえ 猫と遊ぶだけじゃなくて、ごはんもあげて世話もしてますよ(笑)。猫は子どもみたい。だから「子ども」の世話はわたし。食後の食器洗いはわたしがします。
みゆき りえがあぶなっかしくて、家事をまかせられなくなって。最初は、りえが料理をわたしに教えてくれてたけど、だんだんわたしのほうがうまくなってきて。たぶん、料理が好きみたい。
りえ 生活のリズムとしては、わたしが在宅勤務で早いときは夜7時には上がる。
みゆき わたしは夜勤なので、お昼の11時頃に帰ってきて、30分くらいでご飯を作って、お昼ご飯を一緒に食べて、その日にあったこと、猫のことやいろいろ話してます。
りえ ランチ後にわたしは仕事に戻る。みゆきはシャワーを浴びて、2時頃には寝て夜9時頃に起きる生活。
みゆき 夜ご飯はお昼の時に作ってるから、それをりえは食べて、わたしは食べないで出勤する。起きたら、猫にちゅーるをあげて、バタバタ準備してるけど、お互いに声をかけながら。2人で過ごすのは、お昼の時間とみゆきが出かける前の20分くらいの時間。
りえ 別れる時の「あいさつ」があって、「あもちゃん(亡くなった愛猫の名前)もわたしも、みんながワラワラワラっと肩にいるから安全運転、事故に合わない、事件に巻き込まれない、明日、明るく元気に帰ってきてね」と言って、チュッして送り出すんです。みゆきは、車通勤だから無事に帰ってくるようにって。

