どのようにセクシュアリティを探したのか、探索のプロセスを紹介する「せくたんストーリー」。和田さんのお話を伺いました。
ご自身をレズビアンだと自認したきっかけはありますか?
和田:恋愛対象が女性だと気づいたのは、かなり遅かったです。最初の恋愛は20代の時で、相手は男性でした。ですが、異性との性的なことが苦手で、どこか違和感がありました。なので、1人でいる方が幸せかもしれないと思い、30代は恋愛から遠ざかることにしたんです。
親にこの違和感を話したことはありませんでしたが、「誰かいい人いないの?」と言われたことも、結婚を急かされたことも一切ありませんでした。そんな感じで1人で生きていくんだろうなと思っていたので、女性とお付き合いするなど、思いもしませんでした。しかし、私が好きな男性アイドルファンとの交流をきっかけに人生が変わりました。
当時のTwitterで、同性のファン同士が付き合ったとの投稿を見て「そういう選択肢もあるのか」と、感じたのです。私は女性だけど、女性らしく見られることに抵抗があり、男性アイドルに自分を重ねて見ることもあるけれど、男性になりたいわけではない。
そんな複雑な思いを抱えながら、少しずつ自分の気持ちに気づいていったのです。そんな感じで、ファンの人と交流する中で、自然と女性と付き合う流れになりました。
「女性だけど、女性らしく見られることに抵抗がある」を具体的に教えてくれますか?
和田:自分に男性的な側面がすごくあるわけではないけど、若干あるような気がしていて。そして女性という枠組みで見られたくない、といった感覚を持ちながら生きてきました。男性アイドルファンの界隈では、そういった「中間でいたい」という人が多くて、私にとって居心地が良かったのです。その時に初めて女性とお付き合いして、やっと見つけた、という感覚になりました。
当時、レズビアンという言葉は知っていましたか?
和田:ずっと前から言葉は知っていました。元「東京少年」の笹野みちるさんが、女性アーティストとして日本で初めてLGBTQ+であることをカミングアウトしたというニュースも見ていたし、街中で女性同士で手をつないでいるカップルも見たことがあった。けど、自分がそこにいるとは思わなかったんですよ。
私は自分自身を探求してこなかったし、自分自身に言葉をつけるのも好きではなかったのかもしれません。だから、今回の取材を受けるにあたって回答した事前アンケートでも、セクシュアリティの欄で私はレズビアンなのかどうか、と考えました。選ぶとしたらレズビアンだけど、実際は何の名前もつけたくないのが本音です。

