2024-03-16

【公正証書】交際10年目の挑戦

プロフィール

右/加澤さん(48歳、 L、介護士、東京都出身)

左/まいこさん(48歳、L、看護師、東京都出身)

2007年~(2024年現在、18年目)

東京都小平市

パートナーシップ制度 なし
公正証書:あり 緊急連絡先カード:あり

WHY? ~なぜそれをしようと思ったのですか?~

加澤 私たちは日常的にオートバイを運転しているため、事故や入院のリスクが高く、いざというときに「家族」という扱いを得られないことへの不安がたくさんありました。これまで異性愛者の配偶者と同様の生活をしてきている私たちが、実態としての「配偶者」に合わせた扱いを受けるための手段が公正証書です。また、「お互いの約束事」も公正証書にしておくことで、責任と社会に対する権利を明確にして、銀行や医療現場、行政に対しても効力が望めると考えました。

HOW? ~どのようにしましたか?~

加澤 交際10年目の2017年10月、活動を通じて交流のあったLGBT支援を行っている行政書士さんに、まずは無料相談に乗っていただきました。そして、12月には「同性パートナーシップ合意契約公正証書」の本格的な作成に向けて、2回目の面談を行いました。そのなかで、公証役場はどの市町村でも可能との話を受け、まだ提出実績のない、LGBTに理解が乏しそうな自宅に近い市の公証役場に提出することにしました。年内の登録を目指していましたが、その公証役場の公証人は同性パートナーシップ契約の公正証書を担当した経験がありませんでした。そのため、「なぜ、この公正証書が私たちにとって重要なのか」を訴える「上申書」が必要になりました。

まいこ 上申書では「本当に真実のパートナーシップなのかを証明しろ」と求められ、どうしたらいいか悩んでいたのですが、苦肉の策で親族の集まりで撮った集合写真などを家族の了承をもらった上で提出しました。「ふたりが婚姻関係に等しいパートナーであることの証明が必要」と言われるのは、外国人が配偶者ビザを取得するときにもあるそうですが、実に難しいなと思いました。

加澤 最終的に公正証書が受理されたのは翌2018年2月。少し余計な時間がかかりましたが、行政書士さんのご尽力でじっくり作成できたことは良い経験だったと思います。また、こうした公的サービスが利用しやすいものになるよう開拓して、専門家の認知と経験を増やすためには、当事者が積極的に働きかけることが必要だと感じました。

~やってみてどうでしたか?~

加澤 行政書士さんが真摯に相談に乗ってくださったので、ざっくばらんにこちらの希望なども伝えられました。特に「同性パートナーシップ合意契約」では、パートナー間の価値観などを反映していく項目も多く、話し合いのきっかけにもなり良かったです。

まいこ 自分たちの老後だけでなく、互いの親への関わり方、介護などについても話し合えたことは、貴重な時間となりました。

加澤 私たちは 「公正証書の遺言」までは作成しませんでした。現状ではまだ「私文書の遺言」でもいいだろうと判断したからです。一度作成した公正証書も、年齢を重ね、ライフスタイルに変化が出てきた段階で、内容の見直しや書き直しが可能とのことなので、お世話になった行政書士さんには、今後も何か不安があればその都度ご相談したいと思います。

まいこ 公正証書の作成には専門知識や費用などが必要だと諦めるケースもあるかもしれません。ある程度勉強すれば自分たちで公証役場に提出することも可能ですが、LGBTに理解のある行政書士さんに無料相談に乗ってもらうといろんな情報に触れられるのでおすすめです。

text by Mami Hagiwara / photo by Shino Kawachi / Retouching by Emi Yasuda / interviewed by みらいふ編集部
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